学習活動
[食農環境コース] 山形置賜演習に行ってきました
9月1日から3日の間、山形の置賜地域にて食農環境演習Uを実施しました。
今年の演習のテーマは「置賜地域での食農環境と地域循環を学ぶ―果汁飲料と有機系廃棄物のリサイクル−」です。
果汁飲料の生産から廃棄までを学ぶ目的で、学生9人と教員2名で、山形県置賜地域の果樹園、JA山形おきたま、山形食品(株)、ながめやまバイオガス発電所に行きました。
また、置賜地域の川西町は、愛知大学の創立者の一人である本間喜一先生の生家があります。本間先生の生家に訪問し、お話も聞かせていただきました。
〇演習のスケジュール〇
1日目:本間喜一生家→下小松山古墳群→森のマルシェ
2日目:ぶどう農家見学→もも農家見学(収穫体験)→道の駅たかはた→山形食品→ながめやまバイオマス発電所→川西庁舎
3日目:JA山形おきたま 広域集出荷施設→フレンドリープラザ→道の駅米沢
〇1日目〇
まず、本間先生の生家に訪問しました。生家では本間先生のご親戚である小池ふみさんに本間先生のお話を聞かせてもらいました。そこで漬物やスイカ、しそジュースをいただき、エゴマの収穫体験をさせていただきました。
写真1 エゴマ収穫体験 (本間喜一生家:小池ふみさんと)
その後下小松山古墳群に向かい、置賜地域の地理的特徴や里山に生息する特徴的な動植物について教えていただきました。お話の中で、令和の米不足については、生産地に住んでいると不足しているという感覚がないということを聞き、驚きました。本当の豊かさというのはどういうことなのかを考えるきっかけになりました。
写真2 下小松山古墳群から撮った風景
〇2日目〇
2日目は、置賜地域の果物がジュースとして加工品になり、バイオガスとしてリサイクルされるまでの過程を学びました。最初にぶどう農家さんに訪問した後、もも農家さんに訪問しました。もも農家では収穫体験をさせていただきました。農家さんからは近年の異常気象による果物被害についても教えていただきました。特に印象に残ったのがさくらんぼの不良についてです。今年は7割ほどしか出荷できていないという話を聞き、異常気象による作物被害が明確に出ていることに驚きました。
写真3 桃の収穫の様子(もも農家訪問にて)
その後、山形食品に訪問しました。ジュース製造、飲料の加工についてのお話とペットボトルの製造工場を見学させてもらいました。工場で使われている生食用から弾かれてしまった果物は、少し傷がついてしまっただけで捨ててしまうにはもったいないと感じるものばかりでした。山形食品で説明していただいた、そのままでは捨てられてしまうものを利用し、少しでも農家さんの収益に変えようという考え方は異常気象によって作物の生育が難しくなっている中で確実に農家さんのためになっているのではないかと思いました。
写真4 山形食品で使われている加工用の桃 (山形食品にて)
ながめやまバイオマス発電所では発電所が建てられた経緯や取り組みについて教えていただいた後、施設見学をさせていただきました。東日本大震災が起きた時の経験か生まれたら電気を自給自足しようという考えから、今までただ処理していた家畜の糞や動植物性残渣を利用することはこれからの循環型社会を考えていく上で必要な考え方ではないかと思いました。
写真5 バイオマス発電所敷地内で肥育されている米沢牛 (ながめやまバイオマス発電所にて)
川西庁舎では川西町長に川西町についてのお話を聞かせていただきました。川西町の現状や今後について貴重な話を聞かせていただきました。
〇3日目〇
3日目は、JA山形おきたまでトマト、もも、きゅうりの集出荷の様子を見学させていただきました。そこでは、桃の選別方法などさまざまなお話を聞かせていただきました。集荷場を建てる意義として農協が選別やパッケージをすることで農家さんの負担を減らし、その分の時間を作物の生育に充ててもらうことだと聞きましたが、農家さんが高齢化していく中で体力の低下などの問題を考えた時にそのような取り組みが必要であると思うと同時に根本的な高齢化という問題に対して地域政策という観点からの取り組みも必要なのではないかと思いました。豊橋市にあるトマトの集出荷場との違いを確認することができました。
写真6 桃の集出荷の様子 (JA山形おきたまにて)
その後フレンドリープラザで山形県の川西町が出身である作家・劇作家の井上ひさしのお話を館内にある遅筆堂内で聞かせていただきました。井上ひさしさんの生涯を町の人たちに伝えていくことで、川西町に住んでいる人たちは地元に住んでいることを誇りに思えるようになるのではないかと思いました。
写真7 遅筆堂内にある井上ひさし家書斎の再現の写真(フレンドリープラザにて)
写真8 集合写真
カテゴリ:学習活動|掲載日:2025/09/22