愛知大学地理学専攻は、1学年定員約20名の少人数教育を行っています。専攻に所属するのは2年生からですが、以降の3年間は、ほぼ教員とのマンツーマン教育で、じっくりと地理学的なものの見方や研究力量を養っていく点に特徴があります。専攻では、フィールドワークを重視しており、通年の「フィールドワーク実習」の履修が必修になっています。フィールドワークと並行して、2年次から始まる演習(ゼミ)や、地図学、地理学演習などの実習・演習科目と、各種の講義系科目を広く履修することにより、文献の読み方やレポートの書き方、地理情報システム(GIS)などを用いてフィールドワークで得たデータを分析する力量を養います。
各科目のシラバスはこちらで閲覧できます。
地理学専攻では2年次から演習(ゼミ)が始まります。2年次では、地理学研究の基礎となる地形図の折り方から始まって、1年間かけて地形図の読図、主題図の作成、空中写真の立体視、フィールドワーク、地域統計など、地理学の研究にあたって必要となる基礎的技術の習得を目指します。前期の「歴史・地理学演習T」では、紙地図の読図や空中写真の読解を中心としたインドアワークを、後期の「歴史・地理学演習U」では、夏に行ったフィールドワークの結果をコンピューターを用いて集計・分析し、主題図に表現するという、地理学的な研究プロセス全般の実習を行います。
各種の地域統計や地図は地理学研究の根本となる資料です。「地域分析」の科目では、統計ソフトやGIS(地理情報システム)ソフトを活用した最先端の地域情報分析を行っています。これらの分析ツールを使いこなすことで、学生各自がフィールドワークで集めてきたデータ、例えば、水質測定データや商店街の売上高や顧客の分布データと、国や自治体が発行している町丁別人口や地質、標高などのデータをコンピューター上で重ね合わせて分析することができるようになります。さらに、「地図学」では、グラフィック描画ソフトを用いて、自らオリジナルの地図を描画・作成する実習を行い、自身の調査・分析結果を美しい地図の形でプレゼンテーションできる力量を育みます。フィールドワークとデスクワークの高レベルでの融合、これが地理学専攻のめざす教育です。
フィールドでの調査能力やインドアでの統計解析や地図表現技術と、綿密な先行研究の読み込みが融合してはじめて地理学のよい研究ができます。2年次・3年次の「地理学講読」と「歴史・地理学演習V・W」では外国語文献を含む多くの専攻研究を学生各自の興味関心に応じて読み込み、研究史の構築と先行研究批判の方法を習得します。4年次の「歴史・地理学演習X・Y」では、積極的な研究発表を行い、文献収集から研究史批判、自らの研究テーマの意義の説明など、いよいよ卒業論文に向けた実践を行ないます。
地理学は自然科学・社会科学・人文科学にまたがる裾野の広い学問であり、地理学専攻では実習科目や演習科目のほかに、広い領域をカバーする多くの講義系科目を開講しています。「地球環境科学」(2年次)では主に自然地理学の基礎を、「地理学概説」「歴史地理学」など(2年次配当)では人文地理学や地理学史の基礎を学びます。3年次の「歴史・地理学特殊講義」では、より高度な地理学の内容を学びます。また、「日本民俗学」「社会人類学」「ドイツ事情」など、学生の興味関心に合わせて、幅広い地理学の関連分野の講義科目を履修することも可能です。
〒441-8522
愛知県豊橋市町畑町1-1
TEL.0532-47-4111(代表)
E-mail. akiokvega.aichi-u.ac.jp
→アクセス