|
|
|
|||
|
|||||
2024.10.30 「箱庭療法体験」 あっという間に夏休みが終わってしまった!と思っていたら、いつの間にかもう11月が迫っていて、気持ちがついていきません。このお便りも夏に書くと自分に課していたのに、今になってしまって…焦っています。今さらですが、皆さんはどんな夏を過ごされましたか? 私はこの夏、箱庭療法の体験をしてきました。箱庭療法とは、砂の入った箱の中に、玩具を自由において、言葉では表現しきれないものを表現するという心理療法の一つです。なかなか本や講義で理解しようとしてもピンとこなかったのですが、一念発起して、勉強してみようと思い、10数年ぶりに恩師のもとを訪ねました。過去に何度か箱庭を作成したことはあったのですが、久々に体験して、初めて箱庭と出逢ったかのような感動を覚えました。個人的に、しばらくイライラしたものを抱えていて、それを自分でも認めたくなくて、出てこないように蓋をして…というのを繰り返していました。 箱庭を作ってみると、それが見事にドーンと現れました。「そっか、こんなモノが自分の中に住んでいたのか!」という衝撃や恥ずかしさのような感情のあとに、今まで見えなかった(見ないようにしてきた)存在のおおよその姿を確認できたような、安堵感に包まれました。それもこれも恩師の温かい見守りがあったおかげで表現でき、良いも悪いもなく、全部自分なんだなと思わせていただけて。現実や自分が急に変わるわけではありませんが、「この自分でできることを丁寧にやっていこう」とか「このダークな部分もしっかり生きてみよう」とか、少し前を向けたような気持ちでした。 まだまだ私自身が勉強中の身ですが、指導を受けながら、学生さんにも何か気づきが増えると良いなぁと思って、カウンセリングの中でも少しずつ取り入れさせてもらっています。通院中の方や、気持ちが非常に揺らいでいる最中の方は控えた方が良い場合がありますが、興味のある方は、お声がけください(写真は名古屋学生相談室にある箱庭のセットです)。 秋学期も折り返しが見えてきましたね。疲れが出てきたり、急に寒くなったりで体調を崩しやすい時期ですので、いつも以上に休むことを意識して、年内を乗り切っていきたいですね。 名古屋学生相談室 五藤 |
|||||
|
|||||
2024.10.17 「生まれつき刺激に敏感な人たち-Highly
Sensitive Person (HSP) –」 みなさんHSPということばを聞いたことがありますか? HSPとはHighly Sensitive Person (ハイリー・センシティブ・パーソン)の頭文字からそう呼ばれます。1990年代にアメリカの心理学者エレイン・アーロン博士が提唱しました。2019年ごろから日本でも急激に知られるようになりました。「繊細さん」「傷つきやすい人のこと」「不登校になりやすいって聞いた」という人もいるかもしれません。カウンセリングの場面でも「自分はHSP」「HSPだから生きづらい」「自分の子どもがHSC(Highly Sensitive Child)だから、困ってる」などの訴えが増えてきました。 HSPとは「生まれつき、環境の刺激に対して敏感な人」のことです。この環境の刺激には、視覚、聴覚、嗅覚、その他の感覚入力が含まれます。心理学的には「刺激に対する閾値が低いために物事を強く経験する」と定義されます。この刺激に対する敏感さを持っている人の特徴として、「些細な刺激を察知(多くの人は気づかない、または無視できる)」、「刺激を過剰に受け取りやすい(多数の人は気にならないことが気になる)」、「刺激情報を深く処理する(刺激の意味を考える、起こりうるリスクを考える)」などの特徴があり、他者の行動や感情の読み取りなどの刺激に対しても同じように反応します。心理学の世界では、環境感受性という言葉を使うこともあります。 学校場面にHSPの特徴を当てはめると、教室の蛍光灯やスクリーンがまぶしく感じる、大きな音がするとびっくりする、人が大勢いる大教室が苦手、騒がしい場所にいると気分が悪くなる、授業だけで疲れてしまう、などの例があげられます。これらの刺激に対する特徴を持つ人たちの調査から、周りの人の気分や感情に左右されたり、相手のことを考えすぎてしまったり、評価されたり競争する場面を避けたりすることがわかっています。 HSPは「生きづらい」と言われます。それは15%という少数派だからでしょう。世の中は多数派の標準で作られていますから、そう感じるのも仕方がないことでしょう。仕方ないとあきらめるのも一つの対処法ですが、自分の特性を理解し、自分でできる方法を学ぶことを心理士としてお勧めします。私は、HSPの「生きづらさ」のもとは疲れやすさにあると考えています。疲れやすい人が睡眠時間を減らすと、刺激に対してさらに敏感になってしまいます。周りが睡眠時間の短さを自慢するようなことがあっても、観たい・聴きたい・やりたいことが深夜にあっても、朝起きた時にすっきりしているくらい十分な十分な睡眠をとることで生活の質が向上し、生きづらさの改善につながります。 ちなみにHSPは刺激に対する過敏さから自閉スペクトラム症の感覚過敏と間違われることがありますが、障害ではありません。生まれつきの気質特性です。病院に行っても診断されることはありません。興味がある方は、最初にエレイン・アーロン博士が書いた本から読むのをお勧めします。 車道学生相談室 橋亜希 |
|||||
|
|||||
2024.10.01 「青空が好きですか」 私は好きです。 青が濃ければ濃いほど、テンションが上がります。異常なほど青い空に出会うと、写真を撮ります。スマホの待ち受けも今まで撮った中で一番青い空。多分5年以上前の画像ですが、これより青い空に出会っていないため、機種変してもこの写真を使っています。 ちょっとググってみたところ、晴れた日に気分が良く、心身爽快になるのは、青空のせいではなく、高気圧のせいという記事がありました(ウェザーニュース「高気圧が心身を快調にするワケ」)。→え、そうなの?本当かもしれないけど、ウキウキしないね。 というわけで、私は、根拠なく「青空推し」します。最近、「空の写真をアップする人は病んでる」なんていうウワサがあるらしいけれど、気にせず皆さんにシェアしようと、ストレージでMy青空写真を検索したところ、何と、圧倒的多数で雲写真が出てきました。 雲かわいい。雲きれい。 そうでした。私は雲も好きだったのでした。 こちらの写真は、礼文から見た利尻富士です。険しく厳かな利尻富士がゆるふわな雲を被って萌えます。雲が完全に利尻富士狙って湧いてますね(笑)。(「北のカナリアパークと利尻山」で検索すると雲無しの利尻山が見られます) ストレージで自己発見、けっこう楽しかったので、よかったら、お暇なときにどうぞ。
現代中国学部 梅田 |
|||||
|
|||||
2024.09.17 学生相談室にはいろいろな相談内容が舞い込んできます。数回の面接で問題が解決して相談が終わることもありますが、自分自身や自分の生き方を深く見つめ直し、これからの自分のあり方を模索するような長い面接過程になることもあります。その過程は苦しくもありますが、新しい自分の発見や自分自身の成長につながることもしばしばです。 忙しくせわしない日々の中ですと、自分についてゆっくりと深く振り返る機会はなかなか持ちづらいと思います。また社会に出ると、ますます目の前のことで精一杯になり、自分についてゆっくり振り返ることは難しくなっていきます。学生相談室では、日常では得難いゆっくりした時間と空間の中で、じっくり自分や自分の人生について考えることもできます。また、ゆっくりと真剣に話を聞いてもらうことができます。 最初は敷居が高く感じるかもしれませんが、学生生活のなかで困ったことなどあれば、学生相談室も頼ってもらえればと思っています。 文学部 原田 宗忠 |
|||||
|
|||||
2024.09.10 三十余年前から住宅街を流れる川のほとりに住んでいる.川幅数メートル,水深数十センチの小川である.意外と自然が豊かであり,愛犬の散歩がてら橋上から眺めれば,水中をハヤの群れが泳ぎ,水面に数羽のカモが浮かび,上空をサギが舞う. ここまでは在来種であるが,外来種もいる.河原ではミシシッピアカミミガメが並んで甲羅干しをしている.彼らは昭和の時代にアマゾンのミドリガメと称して縁日で売られていた外来種が,いつのまにか土着化したものである. そして,もうひとつ重要な外来種はウシガエル.五月連休から彼岸にかけて夜な夜な,あちらでブオーとなけばこちらでブオーとこたえる大合唱が聞こえる.姿は確認できないが数百匹は下らないだろう.初めて訪れた人は川沿いに牛舎が並んでいると錯覚するだろう.ウシガエルは食用輸入種の土着化である.日本には天敵がいないので爆発的に増えたのである. ところが,昨年になりウシガエルの個体数が激減した.鳴き声は途切れ途切れで合唱にはならなかった.夏は毎夜うるさい思いをしたが,こうなると淋しいものである.そして今年は完全に鳴き声が途絶えてしまった.理由は不明.河川の環境に変化はない.温暖化の影響であろうか.来年夏の復活を期待して今年の幻のウシガエルシーズンを終えることとする. 豊橋学生相談室 今泉 |
|||||
|
|||||
2024.07.25 「チェロにはまる」
最近何の音楽を一番聴いているかというとチェロです。ピアノやヴァイオリンよりも音色が落ち着く感じがして、よく聴いています。 コロナの緊急事態宣言下、演奏の場を失った多くの演奏家たちが苦しみながら、自宅からSNSで楽曲を発信していたという記事を読みました。そのなかのひとりのチェロ奏者笹沼樹はバッハを演奏することで気持ちが安定していったそうです。 観るなら、2CELLOS。解散したのは残念ですが、2celloはクラシックの枠を超えたロックや映画音楽のパフォーマンスで楽しませてくれます。ジャックスパロウの衣装でパイレーツオブカリビアンを演奏したり、ラテンナンバーで観客を巻き込んだり珍しいタイプの演奏家かもしれません。クラシック界では成功出来る人はほんの一握り。2人も当時「先の見えない不安を抱えていた」と言います。2celloの成功は、悩める音大生にクリエイティヴの可能性を示し、チェロを習う子供達に夢を与えているとか。雄大な自然の中で演奏する映像は美しく、世界を旅した気分を味わえます。 豊橋学生相談室 西原 美貴 |
|||||
|
|||||
2024.05.31 「主体的な学び」
大学では「主体的に学ぶこと」が求められています。その一例として、アクティブラーニングと呼ばれる、積極的、主体的な学びを重視する授業の方法が大学に導入されました。アクアクティブラーニングの長所はさまざまですが、最も重要なことは、学生が主体的に学ぶことであると思います。一方、教員としては、どのような課題を出すのか、また課題内容の難易度によって、学生がその課題に取り組む時間や、それに対する学習意欲が変わる可能性を考慮することが必要になるでしょう。このような取り組みのあり方は、授業評価にも関わってくることになるでしょう。 主体的な学びがないままに学生生活を過ごすことは望ましいことではないと思います。そこで、スチューデントアパシーという概念を念頭に置くことが必要ではないかと感じます。スチューデントアパシーとは、学ぶことに対して無気力になる現象のことです。学生がアパシー化しないようにするために、学生が主体的に学ぶことができるような環境を大学全体で考えていくことが重要であると思います。 文学部 鎌倉 利光 |
|||||
|
|||||
2024.04.10 もう春ですね。 桜が咲くと、春が来たと感じます。 この冬は暖かい日もあり、早く桜が見られそうだなと思っていましたが、そうでもなく、最近咲き始めました。満開の桜を新入生在校生のみなさんも見てほしいと思っています。豊橋校舎の桜は、毎年本当に美しいです。 豊橋校舎は、校舎内の大工事をしています。渥美線から続く副門を入ってからの景色も変わり、芝生を抜けて見えていた校舎は新校舎建設の準備のため、解体されましたが、今は新しい校舎の骨組みが見えています。立派な校舎が建つのはまだ先ですが、新入生を向かい入れる準備が着々と行われているように感じていました。 2月3月は、大学は長い春休み中ですが、大学の教職員みんなで、新たな新入生を迎え入れるため、そして、在校生がよりよく学生生活を送れるように、様々な準備をします。 学生相談室もおなじくその期間でした。 4月に入れば、すぐに新入生オリエンテーションがありますね。そのオリエンテーションで学生相談室の利用の仕方について、説明する予定です。 在校生の皆さんは先行して行っていますが新入生の皆さんは、これから健康診断があります。学生相談室は、相談ブースを構えて、相談したいと思っている学生さんはもちろん、WEB問診でチェック項目が多かった学生さんとも面談をして、今の状況を聞いています。 毎年、この時期に学生相談室を利用しやすくなるようにと考えて、相談員が皆さんと出会える機会を持つようにしています。何か悩みがあったら、気軽に声をかけてくださいね。 豊橋校舎の学生相談室に相談に来てくれる学生さんは、全体の5%前後です。気軽に相談しに来てくれる学生さんもいますが、勇気をもって来てくれる方もいます。一回で終わる場合もありますが、だいたいは、複雑な悩みが多く、何度か来てくれることの方が多いです。 すこしでも気持ちが楽になったり、抱えているものが軽くなればいいなと思って、相談活動をしています。これからも学生さんたちの気持ちに、寄り添える相談室でありたいなと思っています。なにか相談したいと思う時には、学生相談室もあることをお忘れなく!!! 豊橋学生相談室 長坂 |
|||||
|
|||||
|
|||||
2023年度の相談室だよりはこちら |