ドイツ語の発音
音節の組み立て |
音節の分離 |
「ドイツ語の音節」では、ドイツ語の音節の構造を紹介しました。
そこでは、ひとつの音節から成り立っている例をしか載せなかったが、2つの音節以上から成り立って
いることばはどうやって分析すればよいのかをこれから述べます。
もっとも難しい問題点は、ある子音がまだ前の音節の足の成分か次の音節の頭の成分かあるのを決める
ことです。ルールとして覚えればいいのは「頭は足より重要だ」というのです。
つぎのことばを分析しよう:
話す[1人称単数現在形] |
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話す[過去分詞] |
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教育問題 |
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議題 |
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努力 |
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ゴミ箱 |
「ドイツ語の音節」で紹介した頭−体−足の構造を利用して分析しましょう。 表の上に乗せてあることばをクリックすると、音声が聞こえます。
[spreche]は動詞で1人称単数現在形です。2つの音節から成り立っており、両方には足がありません。 音節から見れば、比較的な簡単なことばです。
[gesprochen]は動詞[sprechen]の過去分詞です。不規則的な動詞なので、過去分詞を[-en]で作ります。 [ge+]は過去分詞を作る接頭辞です。3つの音節から成り立っています。最後の音節だけには足があります。
[Bildungsproblem]は複合名詞です。名詞[Bildung]と名詞[Problem]から成り立っており、[-s]は その間に置いてあり、前の名詞の成分です。4つの音節から成り立っています。
[Diskussionsthema]も複合名詞です。名詞[Diskussion]と名詞[Thema]から成り立っており、[-s]は更に
その間に置いてあります。5つの音節から成り立っています。3つめの音節を見れば、母音[i]は頭となっ
ていることが分かります。なぜでしょう?
母音[i]は他の母音の前に出れば、半母音として
出ます。半母音というのは、母音と子音の中間帯におり、ほかの母音と一緒に出れば、自然と子音の役割を
果たします。
[Arbeitseifer]も複合名詞です。名詞[Arbeit]と名詞[Eifer]からできており、更に[-s]が出ています。
ここで注目すべきは、最初と最後の音節です。[ar]にも[fer]にも子音[r]が出ています。いずれも、[r]は
子音なのに、足ではなく、体の成分となっています。なぜでしょう?
子音[r]は母音の直後に出れば、[a]としてまたは[a]に近く発音すればよいです。[a]は母音なので、[r]を[a]と
発音すれば、[r]は体の成分となります。([r]を参考)
[Abfalleimer]も複合名詞です。名詞[Abfall]と名詞[Eimer]からできています。[Abfall]は分離動詞[ab|fallen]から
派生したものなので、[-s]は使えません。
このことばまたは、似た構造をしていることばは日本人の発音が間違っていることが多いです。2つめの名詞
は頭がなくて、体の母音から始まります。日本人はよく1つめのことばの足(=[l])を2つめのことばの頭に
してしまうので、発音が悪くなります。
3つめの音節の前には、わずかなツ音便を入れればよくなります。