ドイツ語の発音

ドイツ語の音韻論

アクセント・メロディ・リズム

音節の組み立て

ドイツ語の音節

音節の分離


音節と拍の区別

音節
と拍

日本の言語文化は、なんと言っても、まず「文字の文化」でしょう。日本語の書き方が間違いなく 難しくて日本人の言語意識に極めて大きな影響を与えています。日本語の複雑な書き方をマスターする ためには、日本人は小学校から一生懸命漢字を勉強しています。
漢字を勉強する必要性から、間違った考え方も生まれます。日本人は「音」より「文字」の方が重要だ と考えがちです。外国語を習うときには、そういうふうな考え方は、進歩も塞げることがあります。その ひとつの例は音節の区別です。
言語学者は「音」と「文字」の面を完全に分けて研究しています。音節の概念は 「音」に関する専門用語で、の概念は「文字」に関する専門用語です。誤解して はいけません。音節と拍が一致している場合が多いが、一致しない場合も少なくはありません。

音節

音節の区切り

かう

 

かとう

か・とう

かんばん

かん・ばん

「かう」には、拍が2つあります:「か」と「う」です。しかし、「かう」はひとつの音節です。
「かとう」には、拍が3つあります:「か」・「と」・「う」です。しかし、「かとう」は2つの音節 から成り立っています:「か」と「とう」です。
「かんばん」には、拍が4つあります:「か」・「ん」・ 「ば」・「ん」です。しかし、「かんばん」は2つの音節から成り立っています:「かん」と「ばん」です。
上記の理由にしたがって、「音節」と「拍」の概念を適切に区別する必要があります。


の区別

日本語の音節は「ん」に終わらなかったら、必ず母音に終わります。一方、ドイツ語の音節はもっと複雑な 構造を取ることが多いです。ドイツ語の音節を人間の形にすることにしておきましょう。上から見れば、人間 には、があります。 ドイツ語の音節の体にはいつも母音か二重母音がでなければなりません。頭がなくて、足がなくて、頭も 足もない音節はドイツ語にあります。しかし、体がない音節が存在しません。
これから、様々な音節のタイプを紹介します。

頭も足もない音節

[Ei](=卵)には、体しかありません。母音と二重母音は必ず体なので、いずれにしても母音と二重母音 を体のスロットに入れなければなりません。

音節

 

Ei

 


足がない音節

[ja](=はい)・[froh](=嬉しい)・[grau](=灰色)・[Stroh](=わら)には、足がありません。 [ja]・[froh]・[Stroh]はそれぞれ純粋母音です。[froh]と「Stroh]の[h]は子音ではなく、長い母音を 指す印です。ですから、体のスロットに入れなければなりません。[grau]は二重母音の例です。
注目すべきなのは、頭のスロットです。日本語の頭は極めて簡単な構造があるが、ドイツ語の頭はいくつ かの子音から成り立つこともあり、少なくありません。
[Stroh]の頭の発音にも注意しましょう。3つの音から成り立っています。([st]を参考)

音節

j

a

 

fr

oh

 

gr

au

 

Str

oh

 


頭がない音節

[ein](=[不定冠詞])・[eins](=一)・[Obst](=果物)・[unkst](=不幸を予言する[2人称単 数現在形])には、頭がありません。[ein]と[eins]は二重母音の例です。
注目すべきなのは、頭と同様に、足も複雑な構造を取ることがあることです。日本語の足としては、「ん」しかありません。

音節

 

ei

n

 

ei

ns

 

O

bst

 

u

nkst


足がひとつある音節

[ein]・[Bein](=足)・[Spott](=ひやかし)・[Streit](=喧嘩)には、足がひとつしかありま せん。[ein]・[Bein]・[Streit]は二重母音の例です。
[Spott]には2つの[t]があり、それが短い母音を指す印です。[Spott]の頭は2つの音、[Streit]の頭は 3つの音から成り立っています。([sp][st]を参考)

音節

 

ei

n

B

ei

n

Sp

o

tt

Str

ei

t


頭がひとつある音節

[ja]・[Bein]・[halt](=止まれ)・[seifst](=石けんをすり込む[2人称単数現在形])・[winkst] (=腕を振る[2人称単数現在形])には、頭がひとつしかありません。[Bein]と[seifst]は二重 母音の例です。

音節

j

a

 

B

ei

n

h

a

lt

s

ei

fst

w

i

nkst


頭も足も2つ以上ある音節

[bring](=持って来い)・[kracht](=ガタンと音を立てる[3人称単数・2人称複数現在形])・[trinkt](=飲んでいる[3人称単数・2人称複数現在形])・[tränkst](=飲ませる[2人称単数現在形])・[spring](=飛べ)・[sprengt] (=爆破する[3人称単数・2人称複数現在形])・[strengst](=引き締める[2人称単数複数形])には、 頭も足も2つ以上あります。
[bring]・[kracht]・[trinkt]・[trinkst]には、頭が2つの音から成り立っています。一方、[spring]・[sprengt]・[strengst]には、 頭が3つの音から成り立っています。[p]の前の[s]は[sch]と発音しなければなりません。
[bring]と[spring]の足は1つの音から成り立っています。([ng]を参考)
[kracht]と[sprengt]の足は2つの音から成り立っています。([x]とを参考)
[trinkt]と[strengst]の足は3つの音から成り立っています。
[tränkst]の足は4つの音から成り立っています。

音節

br

i

ng

kr

a

cht

tr

i

nkt

tr

ä

nkst

spr

i

ng

spr

e

ngt

str

e

ngst


ドイツ語は色とりどり!


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