これまでに手がけた翻訳   


 現在までのところ論文以外の翻訳はありませんが、将来的には他のジャンルにも挑戦してみたいです。

♪「正始の音」と玄学 倪其心原著 1993年6月 中国社会文化学会 中国 社会と文化 第8号

 原著は故倪其心先生。魏晋の玄学に関する論考を翻訳しました。大学院生時代の仕事です。当時はまだワープロすら持っておらず、手書きで原稿用紙に書いた原稿を何度も書き直しながら仕上げました。今思えば、隔世の感があります。

♪集団の影響と個人の超克 -詩人誕生の秘密を探る- 1995年6月 中国社会文化学会 中国 社会と文化 第10号

 原著は銭志熙先生。『楚辞』から六朝を経て唐宋に至るまでの幅広い時代からサンプルを集め、文学創作における個人と集団の関係性を論じたものです。これも、大学院生時代の仕事。私は、銭先生の論文翻訳と口頭における発表の両方をお手伝いしました。

♪宋詩における「議論」について 2001年7月 愛大語学教育研究室 言語と文化 第5号

 原著は趙斉平氏。とかく欠点と見なされがちな、宋詩のいわゆる「議論をもって詩となす」特色について、肯定的に論じたもの。いわば宋詩擁護論です。愛大就任後はじめての翻訳ですが、未熟者の私は原著者の名前を間違えて「斉治平」としてしまいました。斉治平氏は陸游に関する著述のあるやはり高名な学者で、当時の私はお二人の名前を混同していたのでしょう。恥ずかしい限りです。

♪黄庭堅の詩歌創作における三つの段階 2001年12月 宋代詩文研究会 橄欖 第10号 

 内山精也氏の委嘱により、『橄欖』のために手がけた最初の翻訳です。原著は莫礪鋒氏。北宋の詩人黄庭堅の生涯における創作を三つの段階に分け、それぞれの時期の特色について論じたものです。個人的には黄庭堅は決して得意な詩人ではなく、翻訳も四苦八苦でしたが、おかげで勉強になりました。

♪陸游の絶句 2002年2月 愛大語学教育研究室 言語と文化 第6号

 原著は朱東潤氏。以下3篇は、いずれも同氏の『陸游研究』に収録されている論文の翻訳です。

♪陸游の律詩における対句の特色 2002年8月 愛大語学教育研究室 言語と文化 第7号

 原著は朱東潤氏。やはり『陸游研究』所収の論文の翻訳です。

♪陸游の詩におけるロマン主義的要素 2004年1月 愛大語学教育研究室 言語と文化 第10号 
 
 原著は朱東潤氏。やはり『陸游研究』所収の論文の翻訳です。同書には、長短あわせて17本の論文が収録されており、この当時は、そのすべてを翻訳する意気込みでした。しかし3本訳し終えたところで気力が尽きてしまい、残りはすべて未定稿のまま放置されています。

♪細雨 驢に騎りて剣門に入る -陸游の「剣門の道中 微雨に遇う」詩について-

 2004年7月 愛大語学教育研究室 言語と文化 第11号

 原著は趙斉平氏。ここでちょっと気分転換を図り、仕切り直してみました。陸游の七言絶句の中で最も名高いといっても過言ではない名作「剣門道中遇微雨」についての詳細な論考です。訳してみて、大変勉強になりました。同氏には、この他陸游の「遊山西村」「関山月」についての論考もあるのですが、これらもいつか訳してみたいと思っています。

♪宋代六言絶句考 -難によって巧を示す- 2004年9月 宋代詩文研究会 橄欖 第12号

 内山精也氏の委嘱による『橄欖』のための翻訳論文第2弾です。原著は周裕鍇氏。宋代の詩人たちが好んで作った六言の絶句についての論考です。

♪「新変自得」と宋詩の創造精神 2007年3月 宋代詩文研究会 橄欖 第14号

 内山精也氏の委嘱による『橄欖』のための翻訳論文第3弾です。原著は張高評氏。原著の文体が独特で、それなりに場数を踏んできたつもりの私にとっても大変な仕事でした。タイトルの「新変自得」自体、何とも訳しにくい言葉ですが、要するに、宋代の詩人たちが唐詩を学習し、その成果を吸収しながらも、それを新しく変化させ、自分たちの独自の風格を創造して行った、という意味です。

 これらの翻訳について抜き刷りを御希望の方は御相談ください。ただし「言語と文化」に掲載されたものに限ります。なお、「言語と文化」に掲載された論文は、同ホームページにてPDFファイルの形式で御覧になれます。


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