范仲淹 Fan Zhong yan (北宋)
江上漁者 江上往来人 江上 但愛鱸魚美 君看一葉舟 君 出没風波裏 〔詩形〕五言絶句 〔韻字〕美、裏(上声・紙韻) |
○江上 普通は「川のほとり」の意だが、この詩の場合は、詩題、第1句ともに「川の上(水上)」の意。「江」は蘇州の近くを流れる
○漁者 魚をとる人。漁師。
○但愛 ただ愛するばかり。
○鱸魚 ハゼに似て、ハゼよりもやや大きい淡水魚。呉淞江のものは、特に美味であるとされる。
○美 美味。おいしいこと。
○一葉舟 一枚の木葉のような舟。漁師の舟が小さく、危なげなことのたとえ。
○出没 出たり隠れたりする。
○風波 風にさかまく波。
《川の上の漁師》
呉淞江を船で行き交う人々は、
ただ鱸魚のおいしさを珍重するばかり。
見てご覧なさい、一枚の葉っぱのように小さな舟が、
風にさかまく波間に見え隠れしているのを。
とてもわかりやすい詩ですが、やさしい表現の中に深遠な内容が込められており、佳作の名に恥じません。