研究法(2018年度春学期) |
1. 授業のテーマ・目標(学部共通)
大学での学びは、ある物事をよく知りその本質や意義を理解することが大半です。このような「知って理解すること」を一言にすれば「認識」ということで、3つのレベルで捉えることができます。第一は、「常識(common sense)」のレベルつまり社会のある時期において人々が当然のこととして共通に認めている意見や判断のことです。知識と言い換えることができるレベルです。知らな かったことをたくさん覚え、その知識を深めていくことは大学においてもひとつの目的であることは、高校までと変わりません。第二は、「良識(bon sense)」つまり物事の健全な考え方や判断でありいわば常識に疑問を持てる「知恵」のレベルです。いろいろな考え方や見方から物事を見直し、「おかしいな」「どうしてだ」という疑問を持つレベルと言えましょう。ところが、そのような疑問について、長い間追求し続けた人が世界中にはたくさんいて、さまざまな理論を打ち立てています。したがって、次に、その人たちの考え方を学び、整理するレベルを目指さねばなりません。それが、第三の「見識(judgment)」つまり物事を深く見通し本質を捉えるすぐれた判断力や物事に対する確かな考えや意見といった「科学」のレベルです。そして、できうれば、その人ならではの新たな見識を他者や社会に発信し、「新しい常識」をつくっていくことが望まれます。
以上の観点から、地域政策学部の<履修モデル>(どんな順番で授業科目を履修するか)が作成されています。演習科目については、まず1年次の「学習法」の授業は、「常識=知識」と「良識=知恵」を結び付けることが目標です。2年次の「研究法」では、「良識=知恵」と「見識=科学」を連結させることが目標です。さらに、3、4年次の「ゼミナール」は、見識を自らのものにし、できれば自分なりの考え方やパフォーマンス、情報を再発信していくことを目標としています。とにかく、3つの認識が重要なのであり、これら全てを備えることが理想です。
2.授業の形態
ゼミ形式
3.授業内容・スケジュール
研究法の授業は、3つの構造からなっています。第一は、「研究と科学の理解」で、科学の定義、科学の諸分野、研究のプロセス、研究技術、研究のまとめ方を学びます。第二は、「他者の研究成果の理解」で、担当教員の研究関心とコースの研究関心を体験し、諸研究を読み解釈する力を養います。第三は、実際の「 トレーニング」で、身近で学んだことを試し、自分の研究関心・問題意識を見つけるとともに、研究上のマナーとルールを身につけ、地域貢献につなげる努力を行うことです。したがって、担当の教員によって、授業の内容が異なる部分が多いと思いますが、基本的な「研究と科学の理解」の部分については、統一テキストである『研究法ガイドブック』を使用してすすめます。
4.評価方法
以下の3点を総合的に評価します。
@ 演習(実際に自分が演じて学ぶ授業形態)であることから、出席率(最低80%)を重視します。
A レポートの提出状況、口頭発表やグループ学習などへの取り組み状況を採点します。
B近隣地域での調査などへの取り組み態度やマナーも評価の対象とします。
5. テキスト・参考書
教員が用意したり、適宜指示したりする
<2013年度 阿部クラスの活動>
<2014年度 阿部クラスの活動>