DSC01328

 

李春利専門ゼミの紹介

担当者 李 春利

(愛知大学経済学部教授)

{演習テーマ}   「BRICs が塗り替える世界地図」

{演習の内容}

ご存知かもしれないが、Bはブラジル、Rはロシア、Iはインド、Cはチャイナ。21世紀の世界の潮流を左右するかもしれないこの4つの新興大国は、いま世界地図を塗り替えようとしている。
 まずは、その人口の多さが際立っている。中国が約13億人(世界1位)、インドが約102000万人(世界2位)、ブラジルが約17000万人(世界5位)、ロシアが約14000万人(世界7位)となっており、4ヶ国合計で263000万人、世界の人口の約45%を占めている。それから国土面積。ロシアが世界1位、中国が世界3位、ブラジルが世界5位、インドが世界7位。面積でいえば4ヶ国で世界の約29%を占めている。
 さらにGDP。ここ10年の間にこの4ヶ国は平均で年6%の成長を遂げており、なかでも中国は10%以上の経済成長、インドも78%の高い成長率を達成している。“Elephant vs Dragon”、日本では「巨象対巨龍」とよばれる「中国とインドの比較研究」がいま世界的なブームとなっている。中国は名目GDPでイギリスを追い抜き、世界4位となり、3位のドイツにキャッチアップしようとしている。インドも世界10位にランクインしている。
 その一方で、CO2排出量も中国は米国に次いで世界2位、インドは世界5位となっている。この3ヶ国だけで世界のCO2排出量の半分を占めており、しかもいずれも京都議定書に入っていない。21世紀の地球温暖化問題はこの3ヶ国をぬきにして解決されそうもない。また、中印両国の石油需要の伸びは、世界全体に占める比率が8.2%と3.2%(2004年)だが、2030 年にはそれぞれ11%5%になると予想されている。
 良くも悪しきもBRICs。日本経済の未来もBRICsをぬきにして語れない。近い将来、君もBRICsのどこかで働くかもしれない。そんなBRICsの光と影を、学生諸君とじっくり時間をかけて浮き彫りにしていきたい。

{運営方法}

この演習は学生主導型の「サークル方式」による自主的なゼミ運営を目指す。履修者が自ら主体性を持ち,発表やゼミ活動を行うことを期待する。在学中になにかをやりたい人、orやる気のある人と一緒にいたい人は歓迎。ゼミでは、教員はアドバイザー又は水先案内人にすぎない。あくまでも学生が主役、教員は解説者といった役割分担で進めていきたい。
 演習の内容については,教員の助言のもとでゼミ生がやりたいテーマを選んでもらって、自ら資料収集や調査を進めてもらい、研究発表をしてもらう。発表にあたっては,ゼミを幾つかのチーム(2007年は「三国志方式」との愛称でよばれた「曹操・信長チーム,劉備・秀吉チーム,孫権・家康チーム」の3チーム)に分かれ,「グループ学習」を提唱する。年末にはこれらのレポートをまとめてゼミ論集を発行する。これまでのゼミの活動内容はすべて李ゼミHPに掲載してある。PCの腕をもっている人orアップしたい人は大歓迎。
(李ゼミHP URL
http://taweb.aichi-u.ac.jp/leesemi

{評価方法}

出席状況、報告の内容、ゼミでの発言態度、議論参加の態度、レポートの出来具合を見て総合的に判断する。

{履修希望者への要望}

①「やる気」を重視。BRICs 諸国についての予備知識や語学能力は特に要求しない。

②参加すればこそ意味がある。ゼミへの参加意識を特に大事にする。中国の諺にいわく:「不恥不問」。恥ずかしがらずに質問していくことこそ上達への近道である。

③ゼミの中には「ゼミ論集編集委員会」「ホームページ委員会」および「風鈴会」と名づけられたOB会などが設けられている。

{テキスト}

李ゼミ論集編集委員会『BRICs が塗り替える世界地図』20083月発行

{参考文献}

李ゼミ論集(第1号~第7号)。李ゼミHPもしくは愛大豊橋図書館1階雑誌コーナーで閲覧可能。(http://taweb.aichi-u.ac.jp/leesemi/