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【授業概要】 |
この授業は講義形式で行われる。授業においては、受講者数に関係なく、質疑応答やピア・レビュー、グループワーク、受講者の(教壇での)発表・説明などを随時行う。 私たちの生活に、貿易が不可欠であることは言うまでもない。食料品、家電製品、衣料、自動車などさまざまな輸入品を目にする機会も多い。世界の景気や為替レート、株価や金利、原油価格の動きが私たちの生活に影響を及ぼしている。最近では、自由貿易や経済統合を否定する動きが起こっている。この授業では、こうした現象や問題を理解するための基礎理論の修得と、国際経済に関わる諸問題、なかでも時事的な問題の理解を目標とする。可能な限り現実との接点を重視しながら授業を進める。
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【到達目標】 |
1.国際経済・国際経済学に関する知識、基礎的な考え方や理論を修得し、それらについて説明することができるようになる。 2.上記に関わる経済現象が理論的に説明できるようになる。
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【授業計画】 |
1.ガイダンス、国際経済学とは、戦後日本の貿易構造 2.貿易はなぜ行われるのか(1) リカードーの比較生産費説 3.貿易はなぜ行われるのか(2) ミクロ経済学(予算制約の下での効用最大化) 4.貿易はなぜ行われるのか(3) 閉鎖経済下と開放経済下の比較 5.貿易政策(1) 貿易政策とは、ミクロ経済学(余剰)、輸入関税の効果 6.貿易政策(2) 輸入数量割当、輸出補助金の効果 7.不完全競争市場と貿易 ミクロ経済学(独占市場)、独占と貿易 8.国際貿易体制 ガット、ウルグアイ・ラウンド、WTO 9.為替レートの決定と決定要因(1) 購買力平価説 10.為替レートの決定と決定要因(2) マネタリー・アプローチ、カバー付き金利平価とカバーなし金利平価、ポートフォリオ・バランス・アプローチ 11.レポート課題 分析方法(統計的な手法を含む)と作成方法 12.国際収支の決定と決定要因 国際収支とは、弾力性アプローチ、Jカーブ効果、マーシャル=ラーナーの条件 13.開放経済下の金融・財政政策(1) マクロ経済学(IS・LM分析) 14.開放経済下の金融・財政政策(2) 閉鎖経済下と開放経済下での金融政策・財政政策 15.開放経済下の金融・財政政策(3) 数値例、小テスト(試験および解説)、総括(内容の整理と確認、質疑応答など) *ほぼ毎回、新聞記事(日本経済新聞が中心)を用います。 *試験終了後に、レポート(試験時に返却)、小テスト、定期試験の解説と講評、ラーニングアナリティクスの結果を受講者に公開する。
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【授業時間外の学習
(準備学習等)】 |
<準備>毎回テキストの予習箇所、復習内容を指示するとともに、HPに掲載する。「反転授業(flipped classroom)」を取り入れるので、事前にテキストとともにスライドキャストシステム(スマホ対応)を用いての学びが必要となる(20分程度)。 <事後>毎回、授業内容のポイントを確認、発展的な学びの例をあげる。「オンライン版(スマホ対応)一問一答(WebClassに掲載)」、授業中に用いる新聞・雑誌記事なども利用すること。
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【評価方法】 |
基準:
定期試験期間中に実施する筆記試験(65%):主に到達目標の1
通常授業期間中に実施する(予告あり)小テスト(15%):主に到達目標の2
通常授業期間中に提出するレポート(10%):主に到達目標の1
授業への参加度(10%)<ルーブリックを用いる>:主に到達目標の1と2 出席による無条件での加点はない。
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【テキスト/参考文献】 |
テキスト 栗原 裕『グローバル経済』晃洋書房、2018年。 参考文献 浦田秀次郎・小川英治・澤田康幸『はじめて学ぶ国際経済(有斐閣アルマ)』有斐閣、2010年。 栗原 裕『知への作法』有斐閣アカデミア、2003年。 栗原 裕『経済学・宣言』学文社、2007年。 栗原 裕『グローバル金融』晃洋書房、2015年 小宮隆太郎・天野明弘『国際経済学』岩波書店、1972年。 澤田康幸『基礎コース 国際経済学』新世社、2004年。 山澤逸平『国際経済学(第3版)』東洋経済新報社、1998年。 若杉隆平『国際経済学(第3版)(現代経済学入門)』岩波書店、2009年。
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【その他】 |
「参加型」の授業である。ほぼ毎回の出席が必要であることはもちろん(遅刻は授業への参加とみなさない)、事前・事後学修、レポート、小テストが課される。 経済学については、履修・学修を前提にしないで授業を進める。数学については、ごく簡単な分数の計算ができれば十分である。数学の得意・不得意が成績に反映されることはまずない。 授業内で英語を用いる(用いてもらう)ことがある(最大2割程度)が、こちらも得意・不得意が成績に反映されることはない。経済に関する時事的なトピックスを中心に、英語で理解できる、表現できる力をつけてほしい。 授業中の許可を得ないスマホ使用は今年度は禁止とする。ただし、スマホ、タブレット、PCの使用を授業内において許可・奨励することがある。授業内でクリッカーを用いる可能性がある。端末は各自のスマホを用いるが、使用は義務付けない。 この授業を通じて、「経済・社会」を見る力、国内外の経済・社会が抱える問題に関心を持ち、課題解決に向けて、考え、動く態度を身につけてほしい。
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【添付ファイル1】 |
【添付ファイル2】 |
【添付ファイル3】 |
【リンク】 |
http://taweb.aichi-u.ac.jp/kurihara/nanzan.html |