国際金融市場論
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テーマ Theme | 国際金融に関する基礎理論の修得と国際金融現象の理解 | ||
概要 Synopsis | 国際金融は、外国為替・国際金融市場、為替レート、国際収支、開放経済下での金融・財政政策などが主要分野です。この授業では、理論的な分析手法に重きを置いて説明をしますが、理論を現実と乖離しないように、両者を関連付けながら標準的・基本的な考え方の解説をします。また、周辺・関連領域として、銀行や証券会社の機能と役割、金融取引なかでも株式や債券についての概説、外国為替・国際金融市場のしくみと現状、各国・地域の金融面を中心とした経済事情、量的緩和策に代表される近年の金融政策、日本の経済状況なども扱います。その中では「市場」が共通の対象になります。デリバティブや電子決済、仮想通貨、行動経済学・行動ファイナンスなど、新しい取引や理論についても対象になります。 2000年代中盤に入り、世界の経済・金融において、大きく揺らぐ事態が起こることになりました。サブプライム問題、リーマンショック、そして欧州での金融危機が発生する中で、ギリシャにおいて政府の債務危機問題が発生しました。問題はここ数年間比較的沈静化、終息の気配さえありました。しかし、終焉していなかったと理解することもできるのでしょう。具体的には、グローバルな取引やリスクの高い金融商品への懸念と規制への動き、各国独自の金融・財政政策への強い回帰などが惹起(じゃっき)されています。こうした現象も授業の中で扱われることになります。 |
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到達目標 Aim | 1)国際金融市場に関する知識、基礎的な考え方や理論を修得し、それらについて説明することができる。 2)上記に関わる経済現象が理論的に説明できるようになる。 |
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授業形態 Class style | 講義形式が中心になります。しかし質疑応答やピア・レビュー、グループワーク、受講者の(教壇での)発表・説明などを随時行います。 | ||
使用言語 Language(s) | 1.【〇】 日本語のみ Japanese
only 2.【 】 日本語と外国語 Japanese and foreign language(s) 3.【 】 外国語(日本語以外)のみ Foreign language(s) other than Japanese |
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アクティブ・ラーニング Active Learning | 1.【 】
PBL(課題解決型学習) Project-based learning 2.【〇】 ディスカッション、ディベート Discussion , Debate 3.【〇】 グループワーク Group work 4.【〇】 プレゼンテーション Presentation 5.【 】 実習、フィールドワーク Applied practice , Fieldwork |
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内容・スケジュール Contents, schedule | *ほぼ毎回、新聞・雑誌記事を用いて時事的なトピックスの解説をします。 1. オリエンテーション、外国為替市場(1) 2. 外国為替市場(2) 名目為替レートと実質為替レート、世界の外国為替市場と取引規模、円のグローバル化 3. 金融市場 日本の金融市場と国際金融市場、国際資金移動の理論、国際資金移動の現状、商品(コモディティ)市場 4. 金融機関(1) 日本の金融機関、米国の中央銀行、銀行と信用創造機能 5. 金融機関(2) 債券と株式 価格と利回り、ポートフォリオ理論 6. 為替レートの決定と決定理論(1) 為替レートの決定、購買力平価説、マネタリー・アプローチ 7. 為替レートの決定と決定理論(2) カバーなし金利平価・カバー付き金利平価、ポートフォリオ・アプローチ 8. 通貨制度と介入 通貨制度の歴史、世界の通貨制度、介入 9. 通貨危機 通貨危機の理論、アジア通貨危機、リーマンショック、IMF 10. 国際収支(1) 国際収支とは、弾力性アプローチ、Jカーブ効果、マーシャル=ラーナーの条件 11. 国際収支(2) アブソープション・アプローチ、貯蓄・投資アプローチ 12. オープンマクロ経済学(1) 金融政策と財政政策、オープン経済下の金融政策と財政政策 13. レポート課題 分析方法(統計的な手法を含む)と作成方法、小テスト(試験および解説) 14. オープンマクロ経済学(2) IS・LM分析、レポートのピア・レビュー 15. デリバティブ 先物、スワップ、オプション、総括(内容の整理と確認、質疑応答など) *試験終了後に、授業評価アンケートへのコメント以外に、レポート(返却)、小テスト、定期試験の解説と講評、ラーニングアナリティクス(授業期間中にも適宜報告)の結果を公開します。 *授業内でPBL(課題解決型学習(課題に基づいた学修):(projectではなく)problem-based learning)を適宜取り入れます。 |
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準備学習・事後学習 Preparation, review | <準備>毎回テキストの予習箇所、復習内容を指示するとともに、HPに掲載します。「反転授業(flipped
classroom)」を取り入れますので、事前にテキストとともにスライドキャストシステム(スマホ対応)を用いての学びが必要となります(20分程度)。 <事後>毎回、授業内容のポイントを確認、発展的な学びの例をあげます。「オンライン版(スマホ対応)一問一答(Moodleに掲載)」、授業中に用いる新聞・雑誌記事なども利用してください。 授業外学修に必要な時間については大学設置基準第21 条に準じますが、反転授業の教材の視聴時間、試験前の学修時間も含みます。アクティブ・ラーニング(action learning;participant-centered learning)はあくまでも方法の一つですが、成否のカギは事前学修にあります。 |
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学外授業 Outside activities | 実施の予定はなし。 | ||
成績評価の方法と基準 Evaluation&criteria | 以下による総合評価で評価します。 定期試験期間中に実施する筆記試験(65%) 通常授業期間中に実施する(予告あり)小テスト(15%) 通常授業期間中に提出するレポート(10%) 授業への参加状況(10%)<ルーブリックを用います> 出席による無条件での加点はありません。 |
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定期試験期間中の試験実施方法 Exam period | 1. 【〇】
定期試験期間中に筆記試験を実施する。An exam will be held during the exam period. 2. 【 】 定期試験期間中に単位レポートを課す。A report must be submitted during the exam period. 3. 【 】 定期試験期間中には筆記試験・単位レポートを実施しない。No exams or report are required during the exam period. |
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テキスト Textbooks | 栗原 裕(2015)『グローバル金融』晃洋書房 | ||
参考図書 References | 植田宏文・丸茂俊彦・五百旗頭真吾(2015)『エッセンシャル金融論』中央経済社 岡村秀夫・田中 敦・野間敏克・播磨谷浩三・藤原賢哉(2017)『金融の仕組みと働き』有斐閣 小川英治・川崎健太郎(2007)『MBAのための国際金融』有斐閣 小川英治・岡野衛士(2016)『国際金融』東洋経済新報社 栗原 裕(2003)『知への作法』有斐閣アカデミア 栗原 裕(2006)『経済学・宣言』学文社 栗原 裕(2018)『グローバル経済』晃洋書房 佐久間浩司(2015)『国際金融の世界』日本経済新聞社 佐々木百合(2017)『国際金融論入門』新世社 高木信二(2011)『入門 国際金融(第4版)』日本評論社 田中隆一(2015)『計量経済学の第一歩』有斐閣 永易 淳・江阪太郎・吉田裕司(2015)『はじめて学ぶ国際金融論』有斐閣 橋本優子・小川英治・熊本方雄(2007)『国際金融論をつかむ』有斐閣 深尾光洋(2010)『国際金融論講義』日本経済新聞出版社 藤井英次(2006)『コア・テキスト 国際金融論』新世社 藤木 裕(2016)『金融の基礎』東洋経済新報社 藤原秀夫・小川英治・地主敏樹(2001)『国際金融』有斐閣 宮井 博・鈴木 誠・米澤康博・山本 零・柳瀬典由・徳島勝幸・大野早苗(2017)『マイナス金利と年金運用』金融財政事情研究会 家森信善(2018)『金融論(第2版)』中央経済社 |
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関連する科目、履修者への要望など Requests,etc. | 「参加型」の授業です。ほぼ毎回の出席が必要であることはもちろん(遅刻は出席とみなしません)、事前・事後学修、レポート、小テストが課されます。 ミクロ経済学がもっとも近接する科目、国際金融市場論、金融論、国際金融論、財政学、経済政策、国際経済政策、公共経済学、日本経済論、統計学、計量経済学、アメリカ経済論、ヨーロッパ経済論、中国経済論などが関連する科目ですが、履修・学修を前提にしないで授業を進めます。 自発的な学びに加え、自律的な個々人が協調・協働する学び、そしてお互いの創発が実感できるような授業にしたいと考えています。 授業中の許可を得ないスマホ使用は今年度は禁止とします。ただし、スマホ、タブレット、PCの使用を授業内において許可・奨励することがあります。 授業内でオーディエンスレスポンスシステム(クリッカー)を用いる可能性があります。各自のスマホを用いてもらうかもしれません(使用は義務付けません)。 この授業を通じて、「経済・社会」を見る力、国内外の経済・社会が抱える問題に関心を持ち、課題解決に向けて、考え、動く態度を身につけてください。この授業の「目的(目標ではありません)」はそこにあります。 オフィスアワーに関する詳細は、授業中に案内します。 |
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リンク Link | http://taweb.aichi-u.ac.jp/kurihara/newpage24.html |