国際経済学(通年)
事前学修の内容はmoodle(動画)にてお知らせします。
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テーマ Theme 国際経済学の基礎理論の修得と国際経済に関わる時事的現象の理解  
概要 Synopsis  私たちの生活に、貿易が不可欠であることは言うまでもありません。食料品、家電製品、衣料、自動車などさまざまな輸入品を目にする機会が多いでしょう。世界の景気や為替レート、株価や金利、原油価格の動きが私たちの生活に影響を及ぼしています。この授業では、こうした現象や問題を理解するための基礎理論の修得と、国際経済に関わる諸問題、なかでも時事的な問題の理解を目標とします。可能な限り現実との接点を重視しながらの授業になります(毎回、新聞・雑誌記事を用います)。
 春学期には、貿易が行われる基本的なメカニズムについて、理論・現実両面から扱うことになります。貿易はなぜ行われるのでしょうか。「自給自足」ではなぜいけないのでしょうか。一方で完全な自由競争の下で市場を開放することが望ましいのでしょうか。こうした問いに明確な解答ができるようになるはずです。
 秋学期には、貿易に関わる「政策」に焦点を当て、理論・現実両面からこの問題を扱うことになります。海外から安くて質の高い製品が輸入されてきました。自国産業・経済に深刻な影響を与えているとしましょう。このとき、どのような政策が望ましいのでしょうか。こうした問いに明確な解答ができるようになるはずです。
 毎回テキストの予習箇所、復習内容を指示するとともに、HPに掲載します。「反転授業(flipped classroom)」を取り入れますので、事前にテキストとともにスライドキャストシステム(スマホ対応)を用いての学びが必要となります。基本的に毎回、グループワークかピア・レビューが課されます。    
到達目標 Aim 1)国際経済・国際経済学に関する知識、基礎的な考え方や理論を修得し、それらについて説明することができる。
2)上記に関わる経済現象が理論的に説明できるようになる。  
授業形態 Class style 講義形式が中心になりますが、反転授業との「ブレンド型」授業です。  
使用言語 Language(s) 1.【〇】 日本語のみ  Japanese only
2.【 】 日本語と外国語  Japanese and foreign language(s)
3.【 】 外国語(日本語以外)のみ Foreign language(s) other than Japanese  
アクティブ・ラーニング Active Learning 1.【 】 PBL(課題解決型学習)  Project-based learning
2.【〇】 ディスカッション、ディベート Discussion , Debate
3.【〇】 グループワーク Group work
4.【〇】 プレゼンテーション Presentation
5.【 】 実習、フィールドワーク Applied practice , Fieldwork  
内容・スケジュール Contents, schedule 第1回:ガイダンス、国際経済学とは、戦後日本の貿易構造
第2回:貿易はなぜ行われるのか(1) リカードーの比較生産費説
第3回:貿易はなぜ行われるのか(2) ヘクシャー・オリーンの理論
第4回:貿易はなぜ行われるのか(3) レオンティエフの逆説、サムエルソンの定理
第5回:ミクロ経済学の復習(1) 予算制約の下での効用最大化
第6回:ミクロ経済学の復習(2) 数値例
第7回:貿易はなぜ行われるのか(1) 閉鎖経済
第8回:貿易はなぜ行われるのか(2) 開放経済下での貿易
第9回:不完全競争下での貿易 完全競争下との比較
第10回:貿易取引のしくみ 信用状、船積書類など
第11回:貿易政策 貿易政策とは、輸入関税の効果、レポート課題の説明
第12回:為替レートの決定と決定要因(1) 購買力平価説
第13回:為替レートの決定と決定要因(2) マネタリー・アプローチ、ポートフォリオ・アプローチ
第14回:国際収支の決定と決定要因(1) 弾力性アプローチ、Jカーブ効果、マーシャル=ラーナーの条件
第15回:国際収支の決定と決定要因(2) アブソープション・アプローチ、貯蓄・投資アプローチ、レポートのピア・レビュー、小テスト(試験および解説)、総括(内容の整理と確認、質疑応答など)
定期試験
第16回:ガイダンス、国際経済学とは、戦後日本の貿易構造
第17回:貿易はなぜ行われるのか リカードーの比較生産費説
第18回:貿易取引のしくみ 信用状、船積書類などと電子化の動き
第19回:貿易政策(1) 貿易政策とは、輸入関税の効果
第20回:貿易政策(2) 輸出補助金、輸入数量割当の効果
第21回:不完全競争市場のもとでの貿易政策(1) 完全競争と不完全競争
第22回:不完全競争市場のもとでの貿易政策(2) 不完全競争市場と貿易政策
第23回:数値例
第24回:為替レートの決定と決定要因 為替レートの主な決定理論
第25回:介入政策 外国為替市場での介入とは
第26回:国際収支の決定と決定要因 国際収支とは、国際収支の主な決定理論
第27回:マクロ経済学の復習(1) IS・LM分析
第28回:マクロ経済学の復習(2) 数値例
第29回:開放経済下の金融・財政政策(1) 金融・財政政策、閉鎖経済下での金融・財政政策
第30回:開放経済下の金融・財政政策(2) 開放経済下での金融政策・財政政策、小テスト(試験および解説)、総括(内容の整理と確認、質疑応答など)
定期試験
*試験終了後に、授業評価アンケートへのコメント以外に、レポート(返却)、小テスト、定期試験の解説と講評、ラーニングアナリティクス(授業期間中にも適宜報告)の結果を公開します。
*授業内でPBL(課題解決型学習(課題に基づいた学修):(projectではなく)problem-based learning)を適宜取り入れます。    
準備学習・事後学習 Preparation, review <準備>毎回テキストの予習箇所、復習内容を指示するとともに、HPに掲載します。「反転授業(flipped classroom)」を取り入れますので、事前にテキストとともにスライドキャストシステム(スマホ対応)を用いての学びが必要となります(20分程度)。
<事後>毎回、授業内容のポイントを確認、発展的な学びの例をあげます。「オンライン版(スマホ対応)一問一答(Moodleに掲載)」、授業中に用いる新聞・雑誌記事なども利用してください。
授業外学修に必要な時間については大学設置基準第21 条に準じますが、反転授業の教材の視聴時間、試験前の学修時間も含みます。アクティブ・ラーニング(action learning;participant-centered learning)はあくまでも方法の一つですが、成否のカギは事前学修にあります。  
学外授業 Outside activities 実施の予定はなし。  
成績評価の方法と基準 Evaluation&criteria 定期試験期間中に実施する筆記試験(65%)
通常授業期間中に実施する(予告あり)小テスト(15%)
通常授業期間中に提出するレポート(10%)
授業への参加状況(10%)<ルーブリックを用います>
出席による無条件での加点はありません。  
定期試験期間中の試験実施方法 Exam period 1. 【〇】 定期試験期間中に筆記試験を実施する。An exam will be held during the exam period.
2. 【 】 定期試験期間中に単位レポートを課す。A report must be submitted during the exam period.
3. 【 】 定期試験期間中には筆記試験・単位レポートを実施しない。No exams or report are required during the exam period.  
テキスト Textbooks 栗原 裕『グローバル経済』晃洋書房,2018年。  
参考図書 References 石井安憲ほか『入門・国際経済学』有斐閣、1999年。
浦田秀次郎・小川英治・澤田康幸『はじめて学ぶ国際経済(有斐閣アルマ)』有斐閣、2010年。
栗原 裕『知への作法』有斐閣アカデミア、2003年。
栗原 裕『経済学・宣言』学文社、2007年。
栗原 裕『グローバル・エコノミクス宣言』学文社、2009年。
栗原 裕『グローバル金融』晃洋書房、2015年
小宮隆太郎・天野明弘『国際経済学』岩波書店、1972年。
澤田康幸『基礎コース 国際経済学』新世社、2004年。
田中隆一『計量経済学の第一歩』有斐閣、2015年。
山澤逸平『国際経済学(第3版)』東洋経済新報社、1998年。
若杉隆平『国際経済学(第3版)(現代経済学入門)』岩波書店、2009年。  
関連する科目、履修者への要望など Requests,etc.  「参加型」の授業です。ほぼ毎回の出席が必要であることはもちろん(遅刻は出席とみなしません)、事前・事後学修、レポート、小テストが課されます。
 ミクロ経済学がもっとも近接する科目、国際金融市場論、金融論、国際金融論、財政学、経済政策、国際経済政策、公共経済学、日本経済論、統計学、計量経済学、アメリカ経済論、ヨーロッパ経済論、中国経済論などが関連する科目ですが、履修・学修を前提にしないで授業を進めます。
 自発的な学びに加え、自律的な個々人が協調・協働する学び、そしてお互いの創発が実感できるような授業にしたいと考えています。
 授業中の許可を得ないスマホ使用は今年度は禁止とします。ただし、スマホ、タブレット、PCの使用を授業内において許可・奨励することがあります。
 授業内でオーディエンスレスポンスシステム(クリッカー)を用いる可能性があります。各自のスマホを用いてもらうかもしれません(使用は義務付けません)。
 この授業を通じて、「経済・社会」を見る力、国内外の経済・社会が抱える問題に関心を持ち、課題解決に向けて、考え、動く態度を身につけてください。この授業の「目的(目標ではありません)」はそこにあります。
 オフィスアワーに関する詳細は、授業中に案内します。  
リンク Link http://taweb.aichi-u.ac.jp/kurihara/International_economics.html