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荒川ゼミ・稲生理沙さんから「上海便り5~身も心もこっそり変身、中国茶とそのお城のはなし」が届きました

文化の秋がやってきました。そこで中国の文化の一つ、中国茶についてのお話です。

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中国茶、というと日本ではペットボトルのウーロン茶が身近にある存在ではないでしょうか。ですが、それだけが中国茶の味わいではないのです。たとえば日本茶の場合、急須で淹れたお茶とペットボトルのお茶ってなんだか違うと思いませんか?風味、にごり、味の濃さ…。それぞれ好みはあるにせよ、茶葉を急須で淹れたものは本来のお茶の風味がぎゅっと詰まっていて深く香りだちます。

中国茶もそう。なおかつ、中国茶の一つの特徴として、その芳醇な香り。鉄観音(ティエグアンイン、てっかんのんと読み、ウーロン茶の一種)は人工的に味をつけたものではなく本来の発酵で、風味がまるで水蜜桃だと言われています。ほかにも同じウーロン茶では凍頂ウーロン茶は蘭の香り、黄金桂(おうごんけい)はキンモクセイの香りに似ています。

とにもかくにも飲んで一撃なのです。

私は初めて中国人の友達がくれたウーロン茶を飲んでみたら、香りがふわっと広がり、その味のまろやかさといい、これがウーロン茶!?と衝撃を受けました。

そこでもっといろんなお茶を知りたいと思い立ち、茶のお城に行ってみました。

上海地下铁三号線、四号線の延安西路(イェンアンシールー)駅を下車して徒歩約10分、やってきたのは天山茶城(ティエンシャンチャーチョン)。

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まさしく、茶のお城!!!

門をくぐると、ウーロン茶、ジャスミン茶、プーアール茶と有名な中国茶のお店もあったり、白茶などの珍しいお茶の店があり、高級店から庶民に優しいお店までところせましと並んでいます。

では、広いお城の中での過ごし方を紹介します。

まずは一階、お茶売場で茶芸に触れてみましょう。

中国茶の楽しみの一つとして、中国式の茶の作法・茶芸(チャーイー、ちゃげい)があります。作法と言っても厳格なものではなく、わいわいがやがややりながらお茶を楽しむのが好きな中国人ですから、和気あいあいとおしゃべりを楽しみ、時折鮮やかな手つきを見るというのが茶芸の醍醐味です。

ここで店員さんが茶を入れながら話してくれるので、話しの練習もかねて、積極的に話します。茶の効能や淹れ方(特に中国茶は入れる回数ごとに味も違いますし、7回ほど入れてもおいしいお茶もあるので、回数を聞くのは重要)を聞いてみましょう。私の経験ですと、どのお店の店員さんも丁寧に教えてくれます。

中国茶はその香りを重視するために、淹れたてが一番うまいということで、日本茶の道具に比べると、茶壺(チャフー急須に相当する道具)は手乗りサイズ、杯はおちょこサイズですぐに飲みきり、次のお湯を注ぎます。ちなみに日本茶は一番に淹れたお茶がうまいといいますが、中国茶は一番目のお茶は捨てます。種類にもよりますが、三回目ぐらいが一番おいしいと言われています。

万が一飲みすぎても、トイレは各階にあるのでご安心を!

せっかくですから秋を楽しむための道具を揃えましょう

中国茶を飲むために必要な道具はありません。マグカップにそのまま茶葉を入れるだけでもいいですし、瀬戸物の日本の急須、紅茶のポットやミルクピッチャーなどを代用しても十分おいしいです。なので、気負って始めるようなものではないのです。

ですが、せっかくの文化の秋。私は形から入ってもいい季節だと解釈して、二階へ。二階は主に茶器、茶道具のお店です。

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まず、淹れるために必要なものといえば、急須と湯呑みですよね。

中国式のちいさな急須は茶壺(チャフー)といいます。形がまるでティーポッドを小さくしたものが一般的です。上の写真の蓋付きの湯呑みみたいなものは蓋碗(がいわん)と呼ばれ、そのまま茶葉を入れてお湯を注ぎ、直接飲んだり、急須のように使います。

次に湯呑みは茶杯(ちゃはい)と言います。陶器や磁器などこちらも様々な種類があります。小さいサイズなので、子供のころおままごとにつかったような可愛いレトロ調なものや、中国の詩人が使ったような趣きあるデザインのものまであるので、きっとあなたのお気に入りがあるはずですよ!手頃なものも多く、掘り出し物を見つける感覚で楽しいです。

いかがでしたか。中国茶は日本茶と同じくカテキン(抗菌作用)、カフェイン(興奮作用、利尿作用)テアニン(リラックス作用)を豊富に含んでいます。その一つのウーロン茶は、茶葉を作る過程でカテキンが変化を起こし、よりカテキンパワーが増すおかげで、脂肪が燃焼し、糖尿病を抑制し、美肌づくりへとまさにいいことづくしの不老長寿の薬でもあるのです。

トクホで飲まれているみなさんも一度中国茶をいれて飲んでみるのはいかがでしょうか。きっと健康のため以外にも飲む楽しさが広がりますよ。 

美肌を目指して日々努力を続けている美容戦士のみなさんも中国茶を飲んで、内側からきれいに、そして文化の秋に中国茶の奥深い知識を手に入れて、知的で美しい女性にこっそり変身してしまいましょう!

 

参考資料

サプリメント事典,日経ヘルス

華夏地理;特集「『非遗』中国」2014年10月号 总第第148期 刊号ISSN 1673-6974

お茶百科 http://ocha.tv/varieties/chinesetea_varieties/

中国茶朋友会 http://www.chinese-tea.info/

All About 中国茶スターターセット http://allabout.co.jp/gm/gc/218696/

※天博茶(天山店;上海市中山西路520号天山茶城1065室)さんのお話も参考にさせていただきました。ありがとうございました。


カテゴリ:その他|掲載日:2014年11月05日

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