卒論要旨3 東アジア共同体構想

03E2355 河本 裕樹

 

現在、東アジアにはEU(欧州連合)、NAFTA(北米自由協定)のような大規模な地域統合を目指した「東アジア共同体」構想が進行している。

ASEAN+3(日本、中国、韓国)が中心となり、世界の三極構想を担う大きな経済圏の成立に向かっている。本論では、経済的側面から「東アジア共同体」の可能性について考察する。

第1章では「東アジア共同体」構想がこれまでどのようにして発展してきたのか、また、創設する意味について考察する。

第2章では「東アジア共同体」構想の契機となったアジア通貨危機の発生から救済までの一連の流れを論ずるとともに、将来、東アジア共通通貨を作ることができるかについて、EUのユーロと比較しつつ考察する。

第3章では「東アジア共同体」形成において最も重要な役割を果たすFTAについて、日本、ASEAN、中国の取り組みや狙いについて将来展望も含めて考察していく。

また、最近の動きとして、2005年12月に開催された、東アジアサミットや2006年11月に開催された、APEC首脳会議についても各国の思惑を中心にまとめた。

「東アジア共同体」は世間では一般的にあまり認知されていない。しかし、「東アジア共同体」は東アジア各国のみならず、世界に影響を及ぼす大規模な取り組みである。東アジアの今後の展望を交え、私なりの見解を述べて論文を締めくくる。

 

目次

はじめに

第1章       東アジア共同体創設の理由と動き

1-1 創設の意味

1-2 現在の共同体構想までの経緯

1-3 東アジアサミット

第2章       共通通貨の可能性

2-1 アジア通貨危機の内容

2-2 ユーロとの比較と展望

2-3 小結

 

第3章       FTA

3-1 日本の取り組み

3-2 中国とASEANFTA

3-3 FTA全体での課題と展望

3-4 小結 最近の動き

結び