公務員になった後の感想

李ゼミ1期生 96E2305  都築尚子     

 

李ゼミの皆さん、こんにちは。1期生の都築尚子です。現在、公務員になり、5年目になります。こうして、ゼミ論集の原稿を書いていると、卒業論集を書いた時のことを思い出し、懐かしく思います。今回ゼミ論集に参加させてもらうにあたって何をテーマに書いたらいいのか迷いましたが、公務員を目指してがんばっている方もみえると聞いたので、公務員になるまでと実際になった後のことについて書いてみたいと思います。

私が公務員になることを考え始めたのは、大学3年生の春ぐらいのことです。独学で勉強しようとやる気満々で通信講座を申し込みました。しかし、大学3年生といえば、まだまだアルバイトをしたり、サークルの仲間と遊ぶ(飲む?)方が楽しい時期で、あっという間に大学4年生の春になってしまいました。目標の試験は国家2種の試験です。試験会場で初めて他の受験者の必死さを目の当たりにし、自分の考えの甘さを痛感しました。結果は、もちろん不合格。来年こそ合格しないと親に顔向けできないなと思い、名古屋の予備校へ全日制で通って勉強をすることにしました。

予備校の良さは、覚えるべきことを分かりやすく、理解し易い順に教えてくれ、教材やレジュメを用意してくれることです。それに、独学ではなかなか資料を集めるのが難しい法律の改正の資料を用意してくれることです。私は、意志が弱かったので、予備校へ通うことで、同じ目標をもった友達もでき、勉強しなければいけない環境に身を置けたのが良かったのだと思います。今思えば、予備校通いは意外と楽しかったです。

ただ、全日制で平日の昼間はほとんど予備校の授業があったため、大学の講義は必要最小限しか出席できませんでした。そのため、大学を無事卒業できるのかなという不安はいつもありました。周りの友達にほんとうに助けてもらったなと感謝感謝です。

 実際に勉強を始めると、何時間勉強時間を確保できるのかという毎日でした。アドバイスになるか分かりませんが、覚えることがとても多いため、基本や原則をまず覚え、基礎が固まったら例外を覚えるとすっきり覚えることができると思います。覚えた後は問題をひたすら解いて、身に付けていくことです。あとは、最後まであきらめないこと。辛いのはみんな同じなんだと思います。

翌年の試験でなんとか国家2種の試験に合格することができました。

実際に働き始めて5年近くなり、これまで、個人のお客様や会社の事務担当者の方達を相手とする接客、書類の審査・入力業務などをさせてもらいました。公務員になる前と後で大きく違う点は、職場に対するイメージです。残業もなく、安定した職場というイメージを持つ方が多いと思いますが、実際には残業で終電になってしまう日が続いたり、土曜日にも出勤したりと意外と大変です。それに、確かに安定した職場だと思いますが、国の政策によって公務員でなくなってしまう可能性もあります。ですから、今公務員になりたいと考えている方は一度どうしてなりたいのか、なった後に何をしたいのか、を考えてみるのがよいと思います。

働き始めてよく思うことは、様々な方と接することができる職種だなと思います。海外から日本に働きにきている外国の方、色々な環境で育ってきた方、現在色々な状況におかれている方、幅広い年齢層・職種・・・。大学を卒業するまで、いかに自分が狭い世界で育ってきたのかをよく感じました。公務員になった後の方が、知識はもちろんのこと、知識以外にも勉強させてもらってばかりです。そして、ありがちですが、身に付けた知識などがお客様に分かりやすく説明するのに役立ち、お客様に「ありがとう」と言ってもらった時が、苦労が報われるというか、やっぱり一番うれしいです。

参考になることが書けたのか自信がありませんが、公務員になることを考えてみえる方、がんばってください。そして、民間企業を希望されている方たちもがんばってください。陰ながら、応援しています。