|
「李ゼミ第四回就職活動ゼミナール」
編集 侶 祥国 松井 淳哉
はじめに
「形にしなきゃ」、李ゼミの運営ビジョンである。数年間、歴代の先輩たちは驚くほどの文字や画像データを李ゼミのBBSに残してあり、かつ年々増えている。それはデータを残すことにより後輩たちに役立てることが目的である。だからこそ、「李ゼミのBBSは宝の山だね」といつも李先生がおっしゃっている。
2006年、李ゼミにとっていいことが沢山あった。その中で、七期生全員が順調に就職活動を終えたのは大変な喜びである。そのゴールを目指し、今年も八期生のキャリア支援のために、人事担当の方を講師としてお招きして就職セミナーを開いた。講師は愛知大学、李ゼミのOBで、総合警備会社、人事部東海採用センター担当の天野健太郎氏である。
それを「形」にしたいと思い、記録をさせていただいた。
今回就職活動セミナーの概要
1、企業からみた就職活動(学生の何を見ているのか?)
2、模擬説明会(就職活動を始めた当初は、合同説明会に行っても何をしていいのかわからず、かなり浮き足立っている。そこで模擬説明会を開いて、就職活動を終えた4年生がどんな感じで就職活動をしていたのかを見る)
3、質疑応答(Q&A)
就職活動についてのアドバイス (講師のお話)
1、 自己分析の重要性(価値観からの会社選び)
「新卒くん」って言葉を聞いたことあるだろうか?なんでも新卒入社後、わずか3年以内にやめる社会人のことを言うらしい。転職の理由を聞くと、大半が口にするのは「企業と自分とのミスマッチ」である。これは、就職活動での相互理解がうまくいかなかったことに他ならない。
最近でこそ転職が認められる社会になりつつあるが、まだまだ日本の社会は転職にとてもきびしい。(新しい業界ほど転職に寛容。古くからの金融やメーカーだと厳しい)そのデータは別のプリントを用意した。
となるとBBSにも書いたように、定年までの40年間を働く会社を探すことがベストとなってくる。自分の将来のビジョンや性格にあった仕事を探し、悔いの残らないものにしたい。
例)
・ なぜ働くの?→お金のため→具体的には?→今の生活水準を落としたくない→なら親父の所得を上回るだけの仕事を選ぶ必要がある。
・子供の運動会に出られないような仕事は嫌→なら飲食や百貨店などのサービス業は無理だろうか?
・転勤とか嫌→地元の企業?
・子供に不自由なく学ばせてあげたい→私大文系で860万、理系だと950万。
人それぞれ、さまざまな条件があると思います。その条件をしっかりまとめ、そして自分にマッチしている企業を探しましょう。条件がまとまった上で書く、志望動機は説得力がでてくる。
就職活動しているといろんな条件がわかってくるから、とにかく早く就活始めるべきである。
2、 質問の重要性
自己分析でまとめた仕事条件をもとにして、自分にあった企業を探すのだが、ただ説明会に出ているだけでは自分の条件を満たしている企業かどうかはわからない。条件を満たしている企業かどうかたくさん質問する。
企業としてもそういう学生は大歓迎である。企業は自分の会社についての知識をたくさん持ち、それを理解したうえで面接に来ている学生を好む。(採用後、ミスマッチからの退職者を減らしたい。)
他にもいろいろいい事があって、人事の人に顔を覚えてもらえたり、自分とこの会社を強く志望してくれていると思ってもらえる可能性が高い。
3、 メモの重要性
説明会で話されることはメモとる。説明会はとても重要で、企業が自社のアピールや自分の質問に答えてくれる。面接の時に役に立つので、とにかくたくさん書く。
4、 2つ目の自己分析の重要性(アピールポイントを探す)
履歴書を書く時に役立つ。(長所・短所、学業以外に力を注いだこと、志望動機など)それ以上に、面接でも役立つ。たくさんあればあるほど良い。
5、 面接にて
「2」で説明したように、企業のニーズは質問で聞く、
・ 例えばここではニーズA,B,C,D,E する。
企業のニーズがC,E,F,G,Hだった場合、学生は自分の長所と企業のニーズが重なった、C,Eをアピールすれば良いのである。
昨年の面接でも、パソコンの資格持っている人は自然と優遇されていた。自分が会社のニーズにあった人間だってアピールするのが内定への近道である。ここでは説得力が重要で、自己分析をしっかりおこない、具体的なエピソードを交えた説得力のあるアピールをする必要がある。
6、 コネクションの重要性
就職活動が終わると活動報告書を書かされる。企業への応募方法に丸をつける欄があるが、その欄には[自由応募・大学経由・縁故]って書いてあることが多い。コネは大学も普通に公認するくらい当たり前のことのようだ。ちなみにテレビ局(キー局)だと、だいたい7~8割がコネだと言われている。
また、自分でコネを作ることも重要で、説明会に何度も通っていると自然に顔覚えてもらえて、有利になる。
7、 他己分析の重要性
意外と他人から見られる自分は、自分の思っている自分と違ったりする。自分の強みだと思っていたら、度が過ぎるって言われたり、自分の嫌いなとこが他人からは好評だったりする。面接官がみる自分は客観視された自分なので、客観視された自分の姿も知っておく必要がある。
最後に
人は、それぞれ素敵な魅力や才能を持っている。情熱であったり、思いやりであったり、元気であったり、謙虚さだったり、実現力だったり。自己分析しているとマイナス面ばかりみえてくるが、それは自分の長所でもあるので発想の転換が必要である。
ゼミ長の追加
ちょっと自己分析のヒント書いておくので、参考までに。
元気、思いやり、勇気、実力、粘り強さ、愛情、笑顔、楽観主義、情熱、実現力、執念、好奇心、感受性、謙虚さ、自信、繊細さ、質問力、聞く能力、アウトプット、向上心、行動、協調、リーダーシップ、平常心、満足etc…参考までにww
当日のレジュメ
就職活動を始めるに当たって
1、仕事に何を求めるのか(学生側)
仕事をする = 労働を提供し、その対価として賃金を得る
・既存の経験・能力を活かせる職場
・自分が興味を持っている職場
・将来性の追及
・仕事として割り切れるか
2、学生に何を求めるのか(企業側)
企業が求める働きに対して賃金を支払う
・既存の経験・能力を活かせる人物
・事業内容に興味を持っている人物
・将来性の追及
・与えられた仕事をソツなくこなせるか
・いっしょに働く仲間としての人間性
企業の見方 歩き方 & 就職活動の主な流れ
なるべく多くの企業に興味を持つ
イメージやネームだけで決め付けない
職種を限定しての、狭い視野での活動はマイナス
あとはやる気と元気
1、企業研究
事業内容 規模(資本金・売上等) 将来性 社訓
どこで情報を得るの?
①学内企業説明会・・・愛大の学生を採用したいと思っている企業が集まる 採用担当が直接話す 印象に残る 採用されやすいかも?
②合同企業説明会・・・多くの企業が一同に会している 採用担当が直接話す 企業各々求めている人材が千差万別 企業のウリがわかる様々なことを気兼ね無く聞ける 選考の場ではないのでただし就職先として、社員となった時のことを考えて聞く
③就職課データ・・・愛大生の応募を待っている 先輩がいれば紹介してくれるかも
④リクナビ・毎コミ・学情・名大社 等 有効利用。ただしネットに頼りきった就活は×
⑤会社HP・・・データをチェック
2、エントリーして説明会に出席
その会社をアピールする場 情報源
表示物 映像 担当者の話 を後に活かす。忘れるからメモを忘れずに!
エントリーシートやアンケートには空欄を作らない(8~9割) 全部埋めるくらい書く
説明会といえども、担当者はチェックしている事がある
服装・態度に気を使おう 説明中、疲れていても 暗くても 寝たらアウトだと思え
3、受験
①履歴書 最初のイメージはここで決まる!
学校指定の履歴書で 写真は写真屋さんがベスト もちろんスーツ姿
字は丁寧に見易さを考えて 押印欄があれば必ず
日付を忘れるな(当日でOK) 絶対空欄にしない
汚い履歴書は論外 → 性格を疑われる
②筆記試験
時事問題:新聞を読む 時間が無ければTVやNET、Mailも活用
一般常識:大学受験を思い出そう
③面接
会場の建物に入る前に準備万端にしておく
受付や担当者には元気に挨拶 華美な服装・態度はマイナス
言葉遣いには細心の注意を 社会人として通用するコトバを身に着けよう
志望動機は要点だけまとめて気持ちでカバー 丸暗記では伝わらない
業界への興味 → その会社への興味
会社概要 代表的な事業・商品は覚えよう・・・会社への興味度を測られる
企業からみた採用できる人物とは
「会社が求めている人物か否か」
「業務を遂行できる能力があるか」
「募集している職種を全うでき、且つそれ以上に活躍できそうか」
天野さんの就活Q&A
Q1、今年は就職するには絶好の年であると聞きますが、実際はどのような状況であるのか教えて下さい。
A、採用人数が増えているので絶好の年ではありますが、バブル期のようにどんな人でも内定が取れるというわけではありません。できる人できない人の差が大きくはなっています。けれどボーダーラインは下がっていると言えます。
Q2、会社を選ぶうえで必要なことはなんですか。
A、まず自分がやりたいことを探すことです。相性が悪いとすぐに辞めることになります。そのために自己分析が必要です。それと将来性です。内定をもらっても倒産してしまったら目も当てられません。
Q3、就活をするに当たって今の時期は何をしたらいいですか。
A、Q2で述べましたが、今の時期は自分を見つめなおして下さい。自分はどんな人間なのか?何がしたいのか?今後の就職活動で必ず役に立ちます。
Q4、就職活動を行うにあたって企業説明会でどんなことをしたらよいのか?
必ずメモを取って下さい。人間必ず忘れます。なぜうちを志望するのか?志望動機が曖昧になってしまいます。代表は誰か?他の企業との違いは何のか?等、把握しておいて下さい。
Q5、企業説明会などでアピールするにはどうしたらよいですか?
A、人事の人に質問することで積極性をアピールすることです。みんなの前で質問するだけではなく、説明会後の個別に質問することで顔を覚えてもらえます。但しパンフレットを見ればわかるようなことは聞かないようにすることです。逆にマイナスのイメージを与えてしまいます。
Q6、私は長所がたくさんあって履歴書に書きれないんですが、どのようにアピールすればいいですか?
A、別の紙に書いてもいいです。やる気をみせることができます。なるべく綺麗に書くことです。
Q7、アピール内容が他の人とかぶってしまったらどうしたらいいですか?
A、同じ人間なんてこの世にいません。はっきりいってまったく同じということはありえません。もしもかぶったなと思ったら自分の言葉で自分らしく、アピールすればOKです。
Q8、アピール内容は大学内の活動か大学外の活動、どちらが評価されますか?
A、どちらでもいいです。ささいな事でいいです、要は自分がその活動からな何を学んだのか?それをしっかり伝えることが大切です。
Q9、面接時にはどんなところをみていますか?
礼儀、身だしなみ、立ち振る舞いを見ています。細かいことにこだわる人がたくさんいますがそれは意味ないです。最低限のマナーを守ったうえで自分らしくいることが一番大切です。
Q10、グループ面接やグループディスカッションはどんなところを見ていますか。
協調性を見ています。人の話を聞く、人に話をする、自分の話をわかりやすくまとめる、この3点を守るだけで十分評価されます。
最後に
自分はどんな人間なのだろう?自分は周りからどう思われているのだろう?自分は周りの人にどのような影響を与えているのだろう?それは今後の人生で今しかじっくり考えることはない。8期生にとって今は苦しい時期であるが、それを乗り越えた時にかけがえのない財産になると私は考えている。私たちの経験が9期生にとって役立つことがあれば幸いである。
|
|